企業経営の組織/人事マネジメントを考える
 
 
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 No13.OJTガイドラインの一例(3/4:名刺交換)

 
       
   レジュメ
   OJTガイドラインはトレナーの負担軽減とトレーニーの自己啓発を促進し
   どの部署でどのトレーナーが行っても会社が期待する行動や知識が統一
   的に修得実践されるようにするものです。
 
   ここでは営業マナーの「名刺交換」に関するOJTガイドラインの作成方法
   について事例解説いたします。

    1.必要性の明示
    2.期待行動の明示
    3.OJT方法の明示
 
    
  1.必要性の明示

        何故このテーマを修得しなければならないのか。

  その必要性についてこれができていない場合の悪しき影響をトレーニー自らの経験から共感
  できるように具体例をあげて表記してみましょう。
 
  <作成事例>

 
    ◆ 名刺は小さいものですが自分と会社をアピールする看板であり受渡しにはその人のセン
     スが顕れます。
 
     名刺をきらしてしまった、名刺が汚れている、角が擦り切れている … こうしたことは論外
     ですが、例えば名刺を渡す時は物事をお願いする方から先に差し出す、名刺を差し出す
     のが相手と同時の時はこちらの名刺が相手の名刺の上にならないようにする等一見どう
     でもよいことのように思われるかもしれませんが大切なマナーがあります。

      マナーは知っていて出来て当り前のことであるだけにこれから外れた対応をするとそれだ
     けで相手に誤まった第一印象を与えてしまい、ビジネスチャンスを失いあなただけでなく
     会社の格まで低く見られることになりかねません。

      名刺交換という大切な初対面の場ではそうしたことがないよう最低限のマナーは弁えて
      対応できるようにしましょう

 
 
    
  2.期待行動の明示
 
        OJT期待成果の認識を統一するとともにトレーニーの自己啓発を促進し修得実践度を客観的に
  点検できるように期待行動の内容を具体的に記述表記してみましょう。
 
  <作成事例>

   ◆ 名刺交換の場では「渡す場面」「受取る場面」「受渡しが終わった場面」それぞれにおいて
     相手に違和感を与えず好印象を持ってもらえるように最低限のマナーを守るとともに会話
     にも気配りしなければなりません。

     以下のチェックリストで名刺交換時のマナーをチェックしてみましょう
 
  1)名刺を渡す場面での期待行動

    こちらが提案やお願いする立場になりますのでこちらから先に相手に渡すことが基本です。

    以下の事項について充分にできていない点は日頃から意識して相手に会う前に準備をして
    対応しましょう。
 
    ① 名刺を渡す前に、にこやかな笑顔で

       ・ 「はじめまして、いつも大変お世話になっております。」
       ・ 「●●商事の●山●夫でございます。」
       ・ 「よろしくお願い致します。」

      とフルネームで名乗ってから左手に持った名刺入れから右手で名刺を出して逆さまに
      ならないように渡している。
 
    ② 相手が差し出した名刺と同時交換になる場合は相手の差し出した名刺の上にならない
      ように下から差し出している。

    ③ 相手の名刺を先に受取らなければならない時は

        ・ 「恐れ入ります、お先に頂戴いたします。」

       と言葉を出し左手で受取ると同時に右手に持ったこちらの名刺を渡している。

    ④ こちらが一人で相手が複数人の時は相手方の上位職位者から順番に渡している。
       相手方の職位順位がわからない時はこちら側から見て上座に位置する者、又は最初に
      名刺を渡そうとする者を上位職位者とみなして対応している。

    ⑤ こちらが複数人の場合はこちら側の上位職位者から相手方の上位職位者に順番に渡し
      ている。

    ⑥ こちらと相手の間にテーブル等がある場合はテーブル越しではなくテーブルをまわって
      相手の近くに寄って渡している。
 
 
  2)名刺を受取る場面での期待行動

    相手に対する敬意の気持ちを伝えることが基本です。

    以下の事項について充分にできていない点は日頃から意識して相手に会う前に準備をして
    対応しましょう。

    ① 名刺を受取る前に、にこやかな笑顔で

       ・ 「恐れ入ります、頂戴いたします。」

      と言葉を出して両手で受取っている。
      ただし、相手が複数人の場合は先に受取った相手の名刺を左手に持ち二人目からは
      右手で受取っている。

    ② 苗字の下の名前が読めない場合はそのまま受取るのでなく

        ・ 「大変失礼で恐縮ですが、何とお読みするのでしょうか。」

      とその場で確認して名刺に書き込んだりせずに頭に入れている。

    ③ 苗字や名前が自分と同じ時は

        ・ 「同じ名前で光栄です。」
        ・ 「これをご縁によろしくお願い致します。」

       等、一言添えて相手に自分を印象付けている。

    ④ 受取った相手の名刺に相手の見ている前で何かを書き込んだり何度もさわるようなこと
      はしていない。
 
 
  3)名刺の受渡しが終わった場面での期待行動

    相手に親近感を与えることが基本です。

    以下の事項について充分にできていない点は日頃から意識して相手に会う前に準備をして
    対応しましょう。

    ① 相手の名刺を受取った後にテーブルを挟んで着席する時は相手が着席した後に着席
      し、相手が一人の場合は受取った名刺を名刺入れの上に乗せて左手上位置に置き、
      相手が複数の場合は左手上位置のテーブル上に相手方の上位職位者の順に置いて
      いる。

    ② 自分の苗字・名前が珍しく相手にルーツや謂れを問われた時に説明できる話題を持って
      いる。

    ③ 相手の苗字や名前が珍しい場合でも初対面でこちらからそれを話題にするようなことは
      していない。

    ④ 相手との会話では「●●課長様は … 」「●●課長様のご質問は … 」「●●課長様と… 」
      等、職位だけでなく苗字と職位をセットにして様をつけて話しかけている。
 
 

 
  ※ 行動記述事項はどの部署でも必要とされる最大公約数を表記し部署・トレーニー別の固有部分
    は+αとして当該トレーナーに追記してもらいます。

 
 
    
  3.OJT方法の明示
  
        言葉での説明よりも実際にやってみせやらせてみる次のようなロールプレイング方式が効果的
  です

    ① 名刺交換の場面を設定する。
    ② 客先の担当者役と当社営業担当役との間で正しくない名刺交換を演じてみせ、そうした
      名刺交換から受ける印象をトレーニーに答えさせる。
    ③ トレーニーに当社営業担当役として正しい名刺交換をやらせてみせこれを点検し、できて
      いる点は誉めて自信をつけさせ不充分な点はアドバイスにより補強する
 

 
  ※ トレーニーが過度に緊張しないように全員が参加する中で順番に行い全員で講評し合う
   ゲーム方式が有効です

 
  
    
 

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  <関係参考ページ>

    OJTマネジメント診断

    OJTの機能化対応
    OJTガイドラインの一例1/4(挨拶)
    
OJTガイドラインの一例2/4(身だしなみ)
    OJTガイドラインの一例4/4(電話応対)
    営業力強化を組織的に推進する営業OJT研修

    人材育成風土を活性化する社内シンストラクションシステムの設計基準 
 

 
 
 
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