企業経営の組織/人事マネジメントを考える
 
 
      ■ 組織/人事マネジメントに関する経営診断・調査分析
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      ■ 各種教育研修の企画・テキスト作成・講師養成支援
      ■ その他組織/人事マネジメントに関するコンサルテーション
 
         
 

 No2.人事評価システムの機能化対応

 
       
   レジュメ
  人事評価システムが機能不全に陥る原因とその防止/改善対応について
  解説いたします。
 
    1.業績要件と行動要件の適正化
ポイント
    2.
被評価者の能力/モチベーションの改善ポイント
    3.
評価者のマネジメント力の改善ポイント
 
    
  視点
 
    人事評価システムが機能不全に陥る原因は体系的に見て次の3点です。
 
    
 
   第1点=業績/行動要件自体に問題があること
 
   ■ 各職位に適用される業績/行動要件が所属組織と担当職位のミッションに整合していない
     ためにこれが達成/実践されても組織業績と人材育成に寄与しない。 
 
 
    
 
   第2点=被評価者の能力/モチベーションに問題があること

   ■ 被評価者の認識/スキルが伴わないために業績/行動要件が受容・実践されない。 
 
   
 
    
  
   第3点=評価者のマネジメントに問題があること

   ■ 評価者の認識/スキルが伴わないために被評価者の受容・実践を阻害する。
 
     
 
    この3つの原因視点から人事評価システムの機能化ポイントをみていきましょう

 
 
 
    
  1.業績要件と行動要件の適正化ポイント
 
    
  1)業績要件に関する点検・補正ポイント

    職位目標が達成されても組織目標の達成につながらない、あるいは、職位目標に具体性が
    ないために進捗プロセス管理ができなかったり途中で放棄されているにも関らず形式的に
    評価点をつけている … といったことがないように以下の事項を点検・補正します。

    (1) 組織目標の点検・補正ポイント

 
      ① 各単位組織のミッションと分掌業務は組織規程で定義/開示されているか
     
② 組織規程のメンテナンスは行われているか
     
各単位組織の戦略課題に遺漏や不徹底はないか
      ④ 各単位組織の組織目標はそのミッションと戦略課題に整合しているか
      ⑤
各単位組織の組織目標は成果レベルと達成対策が具体化されているか
 
    (2) 職位目標の点検・補正ポイント
 
      ① 職位目標は所属組織の組織目標達成対策と整合しているか
      ② 職位目標は当該職位のミッションと担当業務に整合しているか
     
職位目標は成果レベルが具体的で過大過小になっていないか
      ④ 職位目標の達成対策内容にムダ・ムリ・ムラがないか
      ⑤
職位目標の達成対策の実施時期と所要期間にムダ・ムリ・ムラがないか
 
    ● 目標を持ってチャレンジすることは大切なことではありますが目標なら何でもいいから
      取敢えず作ってみようということでは人事評価は機能しません。

       『目標による管理 』 の美名の下、現場の裁量に委ねるだけでは必ずこのような安易さ
      に陥りますので各現場で適切な目標設定が行われるようガイドラインを整備してその
      実行を担保するマネジメントの仕組みを整えなければなりません。 

   
  
  2)行動要件に関する点検・補正ポイント
    
    例えば処理力や協調性といった能力・情意評価項目があってもその実践場面で求められる
    行動記述がないために行動実践レベルや評価判断にバラツキの生じることがあります。
 
    < 例:処理力の評価 >

      × 仕事の処理は正確/迅速であったか

         ⇒ 行動実践において正確/迅速とはどういうことか不明で評価判断が被評価者、
           評価者とも各人の主観となり統一性がなく行動規範としても機能しません。

      ○ 担当業務の週次・日次計画を立て上司の確認を受けているか
        状況に応じた週次・日次計画の修正や関係者との調整を遺漏なく行っているか
         担当業務の経過と結果について上司への報・連・相を遺漏なく行っているか … etc.

        ⇒ 行動内容が記述化されて実践規範として機能しやすく評価では必要行動実践の
          有無、程度を統一基準で判断できます。

    行動要件の適正化においては以下のポイントを点検・補正します。
 
      ① 基準職位のミッションと責任権限は組織規程に明文化され開示されているか
      ② 組織規程のメンテナンスは行われているか
 
   
  ③ 行動要件はミッションと責任権限に整合しているか
      ④
行動要件にその実践の有無、程度を客観的に判断できる具体性があるか
      ⑤ 行動要件は被評価者において実行可能な内容であるか
      ⑥ 行動要件の内容と評価基準は被評価者に開示されているか
      ⑦ 行動要件の実践、責任権限の遂行に必要な教育が行われているか
 
    ● 行動要件は一度設定すればよい、同階層であればどの職場でも同じでよいという
      ものではなく人材競争力を担保していくためには事業環境や戦略状況、職場環境
      に応じて常に最適な内容にメンテナンスしていく必要があります。 
   
  
  
    
 
 
    
  2.被評価者の能力/モチベーションの改善ポイント
 
    
  1)人事評価の必要性と仕組みの理解及びスキル付与
  
    被評価者には一般的傾向として『他人から評価されたくない』『評価されるのであれば自分
    の納得のいく評価を受けたい』という心理がはたらきます。
 
    このため目標の達成や必要行動の実践にコミットさせるには少なくとも人事評価の必要性と
    仕組みが理解され、これについていけるスキル付与が行われていることが前提となります。

    以下のポイントを点検・補正します。
 
      ① 人事評価の目的と実施方法、評価基準が被評価者に開示・教育されているか
      ② 職位目標の前提となる組織目標とその達成対策が説明されているか
     
職位目標の設定と実行管理に関するスキルが付与されているか
      ④ 職位のミッションと必要行動は被評価者に開示されているか
      
必要行動の実践に関するスキルが付与されているか

    ● 評価者研修だけでなく被評価者研修についてもきちんと行う必要があります。
  
             
   
    2)人事評価の仕組みの実効性
    
     実務場面で被評価者のチャレンジが持続するよう、仕組みの実効性について以下のポイント
     を点検・補正します。

      ① 自己評価を行いこれを申告説明できる仕組みとなっているか
     
② 評価結果のフィードバックを受けられる仕組みになっているか
      
評価結果に対する疑問や不満を受け付けてもらえる仕組みになっているか
      ④ 賃金の水準・支給基準、昇格要件、福利厚生等処遇反映に問題はないか
      ⑤ 金銭やポスト、ベネフィット以外の内発的動機付け対応をしてい
いるか
 

     ● こうしたことは相手から要求されて行うものではなくこちらから相手の意識を汲取り      
       ポジティブに対応していくことがコミット形成につながります。   
 
       
   
 
 
    
   3.評価者のマネジメント力の改善ポイント

     評価者も一面においては被評価者となるため上記同様のことが適用されますが部下の職位目標
     達成と必要行動の実践をマネジメントする立場からは以下のポイントを点検・補正します。

        ① 人事評価の目的と実施方法、評価基準に関する被評価者からの疑問や批判にきちんと
          説明対応できるように教育されているか
        
② 期初・期中の正しいマネジメントが実践できるように教育されているか
        ③ 評価・フィードバックの正しく実践できるように教育されているか
        ④ 上位評価者ないし人事評価主管部署から評価者としての行動をチェック・フィードバック
          される仕組みになっているか
        ⑤ 部下に対する最終評価結果と調整理由を上位評価者ないし人事評価主管部署に確認
          できる仕組みになっているか

     ● 評価者研修は管理・指導職への昇格時必須研修ですが昇格時に一度行えばそれで完全
       に実行できるというものではなくむしろ誤まった評価スキルが固着する惧れもありますので
       昇格研修後も状況に応じたフォロー研修でこれを修正していく必要があります。
 
 
    
 

 ● 組織の業績達成と人材育成を支える 人事評価制度メンテナンスのご案内

 
    
 
   組織の業績達成と人材育成を支えるべき人事評価が形式的な査定ツールとなり剰え被評価者
   のみならず評価者からもオミットされその本来機能を劣化させていくのは何故か … 。
 
   構造的劣化原因を踏まえた的確なメンテナンスをしましょう。 
 
    

ご案内

  
  ソリューション視点
   
  ■ 組織本来の業績要件にベクトルを合わせた業績評価ができる

  ■ 職位本来の行動要件にベクトルを合わせた行動評価ができる
  ■ 評価者/被評価者双方に人事評価ルールが受容・実践される
 
 
 ◎無料企画診断からお試し下さい。
 
 
 
  ● ご相談/お問合せ
 
        企業経営の組織/人事マネジメントを考える 戦略目標管理研究会
 
  代表:中小企業診断士;社会保険労務士髙桒一也(タカクワカズヤ)
  
〒170-0005 東京都豊島区南大塚1-21-11 ジェイシティ南大塚503
  TEL・FAX : 03-5976-2541  
E-mail :ta2902@isis.ocn.ne.jp 
 

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  <関係参考ページ>

    人事評価者研修テキスト
    人事評価スキル診断シート
    人事評価結果の調整方法
    評定誤差の把握と改善対策
    評価者研修ケーススタディ①
    評価者研修ケーススタディ②
    評価者研修ケーススタディ③
    評価者研修ケーススタディ④
   
業績向上と人材育成につながる人事評価者研修

 
 
 
 
                                  Copyright © 戦略目標管理研究会.All Rights Reserved.

 

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