企業経営の組織/人事マネジメントを考える
 
 
      ■ 組織/人事マネジメントに関する経営診断・調査分析
      ■ 組織/人事諸制度の設計・メンテナンス支援
      ■ 各種教育研修の企画・テキスト作成・講師養成支援
      ■ その他組織/人事マネジメントに関するコンサルテーション
 
         
 

 No7.組織の衰退原因と予防対応

 
       
   レジュメ
  企業組織は何故衰退するのか、その原因と予防対応ポイントをマネジメント
  視点から解説いたします。
 
    1.環境認識に由来する原因と予防対応ポイント
    2.組織構造に由来する原因と予防対応ポイント
    3.組織過程に由来する原因と予防対応ポイント

 
    
   視点
 
    組織は環境適応不全により衰退します。

    例えば、需要が停滞し競争が激化していく環境において

      ◆ 競争対策を認識せず、旧来の営業方法に固執している
      ◆ 競争対策はとってはいるが的外れで遺漏や遅れがある
      ◆ そのことに気付かず仕事がカラ回りしている
      ◆ 競争に生き残れず衰退していく

    ここでは何故そうしたことが起きるのか、組織の衰退原因とその予防対応をマネジメント視点から 
    解説いたします。

 
 
 
    
  1.環境認識に由来する原因と予防対応ポイント
 
    自社が外部環境からどのような影響を受けるか、これに対し内部環境をどのように適応させて
    いくか、この認識の遺漏や誤りが組織を衰退させる大きな原因となります。

 
    
   1)外部環境から受ける脅威と機会に対する認識対応ポイント
 
    ユーザー、競合企業、商材供給業者、金融機関、法律・行政等事業遂行に影響を与える
    外部環境因子とこれらから受ける脅威と機会の認識に遺漏や誤りがあると脅威への対応
    が泥縄になったり折角の機会を取り逃がすだけでなく競争相手にも大きな遅れをとること
    になります。

    外部環境の認識では少なくとも以下の対応が必要とされます。

    (1) 自社経営に影響を及ぼす外部環境因子の特定
    (2) 各因子から受ける脅威と機会のモニタリング(内容・時期・影響度の把握)
    (3) (2)に基く対応プライオリティの決定

  
 
   2)内部環境の強みと弱みに対する認識対応ポイント
 
    人材、設備・技術、財務、情報管理、アライアンス等事業遂行を支える内部環境因子の強み
    と弱み及びその活用/克服対策の認識に遺漏や誤りがあると自社の強みを自覚活用でき
    ず常に弱み抱えた状態で競争を強いられることになります。

    内部環境の認識では少なくとも以下の対応が必要とされます。

    (1) 自社の事業遂行を支える内部環境因子の特定
    (2) 各因子の強みと弱みの把握
    (3) 1)(3)に対応する強みと弱みの活用/克服対策の整理
    (4) 強みと弱みの活用/克服対策の効果の程度・発生時期、必要コストの把握
    (5) (4)に基く対応プライオリティの決定
    
 
 
    
  2.組織構造に由来する原因と予防対応ポイント
 
    単位組織やその分掌業務に過不足があったり職制レンジやその責任権限分掌が適切でないと
    必要な仕事をしてない、不必要な仕事をしている、これを検証できないといった不具合から組織
    の衰退を招来します。
 
 
    
   1)単位組織と分掌業務の過不足是正における対応ポイント
 
    全社組織を構成する部・課・室・所等の単位組織において不要な組織があったり必要な組織
    がない、また、単位組織の分掌業務において不要な業務が行われていたり、必要な業務が行
    われていないと全社組織の生産性は阻害されます。
        
    こうした点については少なくとも以下の対応が必要とされます。

    (1) 単位組織過不足の是正

       ① 各単位組織の機能、業務成果、維持コストの点検
       ② 不要不急機能を持つ単位組織の廃止又は統合
       ③ 単位組織の統廃合、新設
       ④ 単位組織の縮小又は拡張

    (2) 分掌業務過不足の是正

       ① 各単位組織分掌業務から得られる業務成果の点検
       ② 業務成果が曖昧、不要不急の業務を廃止
       ③ 他組織と重複する業務の廃止又は統合
       ④ 分掌業務の新設

 
 
   2)職制レンジと責任権限分掌の過不足是正における対応ポイント
 
    課長の下に副課長、その下に課長代理、その下に課長補佐 … というように職制レンジが
    広すぎたり逆に課長の下はすぐに係で中間職制がないというように職制レンジが狭すぎる
    と無駄な仕事を増やしたり仕事の処理スピードや品質を落とすことにります。

    また、職位の責任権限分掌が未整理であったり当該職位のミッションに整合していませんと
    職務の必要性と妥当性を検証できません。

    こうした点については少なくとも以下の対応が必要とされます。

    (1) 職制レンジ過不足の是正

       ① 単位組織の過不足調整
       ② 代理や副、補佐等の中間職制の抑制
         代理や副、補佐等の機能が必要な場合は下位単位組織長の責任権限分掌に吸収

    (2) 責任権限分掌過不足の是正

       ① 基準職位コアミッションの定義
       ② 責任権限は当該コアミッションの遂行を担保する範囲で設定
       ③ 職位間における責任権限分掌の重複・脱落の点検、補正

   

 

   
    
  3.組織過程に由来する原因と予防対応ポイント
  
    環境適応に向けた戦略課題が整理され組織構造にも問題がない、にも拘らずこれが巧く機能して
    いない、その主たる原因は実行職位における「認識」「能力」「モチベー
ション」にあります。
 
    
   1)認識是正の対応ポイント
 
    戦略課題や組織規定があってもこれが実行職位に認識されていなければ意味がありません。

    例えば、戦略課題が単位組織や組織構成員の目標にブレイクダウンされておらず所謂上から
    下まで火の用心といったスロースローガンになっていたり、組織規定に単位組織の機能や
    分掌業務、職制が定められていてもこれが開示・教育されることもなく規定ファイルに眠って
    いるといった状態では組織は機能しません。

    こうした点については少なくとも以下の対応が必要とされます。

    (1) 環境認識不足の是正

       ① 事業外部環境と内部環境の実態を管理職以上に周知徹底
       ② 戦略課題は単位組織と構成職位の目標/プロセス管理にブレイクダウン
       ③ 単位組織の戦略課題進捗状況は上位単位組織に報・連・相を徹底
       ④ 単位組織と構成員の目標管理に対する評価

    (2) ミッション認識不足の是正

       ① 組織規定を単位組織の長に配布
       ② 職制については単位組織の長への昇進時研修で認識を統一
       ③ ミッションと責任権限分掌の実践に対する評価

    
 
   2)能力是正の対応ポイント
 
    認識はしているものの能力が伴わずに旨く動けないということがあります。

    能力は経験の蓄積や自己啓発に依る部分もありますが全てをこれに任せていたのでは競争
    に耐えうる能力形成はできません。

    各企業とも教育研修には力を入れておりますが教育研修ニーズを検証しないままその時々
    の時流や各職場の裁量で行われ実施が都度散発的で実施後フォローもない等々の事情で
    必ずしも奏効してないケースも少なくありません。

    こうした点については少なくとも以下の対応が必要とされます。

    (1) 教育研修ニーズ不整合の是正

      ① 基準職位のミッション遂行に必要な教育研修ニーズを階層・部門別に整理
      ② 教育研修ニーズの充足プライオリティを整理
      ③ 教育研修ニーズの充足方法と実施計画を整理

    (2) 教育研修体制の確立

      ① 各単位組織長の教育研修職務の内容と実施手続きの規定化
      ② 教育研修実施計画の策定と実行管理を行う責任職位の規定化
      ③ 教育研修実施後の実務段階におけるフォロー体制の構築
      ④ 教育研修効果の測定とフィードバック
 
 
   3)モチベーション是正の対応ポイント
 
    認識・能力があってもモチベーションが働かずに動かないということがあります。
    これはやってもやらなくても同じだからやらない、同じではないけどインセンティブが低い、
    失敗によって不利益を被る、感情的にやりたくない、等々に起因しますがいずれもこれを
    放置すれば組織は間違いなく衰退していきます。

    こうした点については少なくとも以下の対応が必要とされます。

      (1) モチベーションの保全・促進因子の把握
      (2) 各因子ごとの問題点の点検と改善対策の整理
      (3) プライオリティに応じた計画的実施

  

 

 
    
 

 ● 組織業務の生産性を保全する 組織管理メンテナンスのご案内

 
    
 
   組織/職位で本来やるべきことをやらず、やらなくてもいいことを大真面目にやっている、
   しかもそのことに気がつかない、知らぬ間に生産性が低下し競争力も劣化していくのは
   何故か … 。
 
   根本的劣化原因を踏まえた的確なメンテナンスをしましょう。 
 
    

ご案内

  
  ソリューション視点
   
  ■ 組織構造に関する不具合を検証/改善できる
  ■ 組織過程に関する不具合を検証/改善できる
 
 
 
 ◎無料企画診断からお試し下さい。
 
 
 
  ● ご相談/お問合せ
 
        企業経営の組織/人事マネジメントを考える 戦略目標管理研究会
 
  代表:中小企業診断士;社会保険労務士髙桒一也(タカクワカズヤ)
  
〒170-0005 東京都豊島区南大塚1-21-11 ジェイシティ南大塚503
  TEL・FAX : 03-5976-2541  
E-mail :ta2902@isis.ocn.ne.jp 
 

ご相談/お問合せフォームはこちらをクリックしてください。

  
    
  <関係参考ページ>

    組織/人事マネジメントにおける戦略課題形成ポイント
    組織メンテナンスのチェックポイント
    事業展開の4セル
    SWOT分析の展開事例
    昇格要件の整備ポイント
    管理職の経営マインドを向上させるSWOT分析研修
    組織と職位の生産性を担保するミッションマネジメント研修
    組織業績の改善向上に機能する目標管理制度のメンテナンス
    組織業務の生産性を保全する組織管理のメンテナンス
    組織人事管理の実効性を担保する戦略昇格要件の構築

 
 
 
 
                                 Copyright © 戦略目標管理研究会.All Rights Reserved.

 

 組織/人事診断サービス INDEX 
 

 

 組織/人事制度メンテナンス INDEX

  

 管理職育成研修テキスト INDEX
   

  

 
  
  お役立ちデータ提供 INDEX

 
 
中小企業のP/L指標
  中小企業のB/S指標
  中小企業の労働指標
  賃金統計データ
  基準職位の役割と行動要件
  収益性自己診断ツール
  昇進試験問題作成事例
  各種診断シート
  その他
 

 
  ワンポイントセミナー INDEX
  
  あなたに対する上司の評価
  あなたに対する部下の評価
  できる上司のコンピテンシー
  仕事/職場環境へのES
  賃金/福利厚生へのES
  OJTへのES
  コミュニケーション環境へのES
  教育研修へのES
  人事評価へのES
  責任権限へのES
  自社経営ビジョンへのES
  管理職のストレス耐性分析
  労災精神障害の予防/抑制

  労災精神障害の認定基準
  自社経営理念へのES

  コンピテンシーの事例と活用
  評価者研修のケーススタディ④
  評価者研修のケーススタディ③
  評価者研修のケーススタディ②
  評価者研修のケーススタディ①
  昇格要件の整備ポイント
  昇財務分析研修の理解度テスト
  中小企業B/S数値の推移
  中小企業P/L数値の推移
  営業職の賃金インセンティブ
  戦略モニタリングの視点
  SWOT分析の展開事例
  管理職昇進試験のポイント
  事業展開の4セル
  BEP分析
  C/Fの作成と分析事例
  自社商品/サービスへのES
  営業部門のプロセス目標
  マネジメントスキルのメンテ
  モチベーションの点検ポイント
  適正人員の算出方法
  OJTガイドラインの一例4/4
  OJTガイドラインの一例3/4
  OJTガイドラインの一例2/4
  OJTガイドラインの一例1/4
  評定誤差の把握と改善対策
  総務人事部門の目標
  目標管理の機能化対応3/3 
  目標管理の機能化対応2/3
  目標管理の機能化対応1/3
  組織メンテナンスのチェック
  定性目標の設定方法と評価
  組織の衰退原因と予防対応
 
人事評価結果の調整方法
  教育研修効果測定方法の一例
  OJTの機能化対応
  教育研修ニーズの把握方法
  人事評価システムの機能化
 
戦略課題形成ポイント
 
 
  各種教育研修 INDEX