企業経営の組織/人事マネジメントを考える
 
 
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 No10.目標管理の機能化対応(3/3:評価・フィードバック時の対応)

 
       
   レジュメ
  目標管理をしているのに何故組織業績の改善/向上につながらないのか。
  ここでは評価・フィードバック時点での機能不全原因と改善ポイントについて 
  事例解説いたします。
 
    1.評価時の対応ポイント
    2.フィードバック時の対応ポイント
    3.評価・フィードバックのFAQ
 
    
  視点
 
    評価・フィードバック時に留意すべき機能不全の原因は次の2点です。

     ● 評価が単なる得点計算作業で終わってしまう

       評価は所定の基準に従って公正公平に得点を算出しなければなりませんが得点を算出すれ
       ばそれで終わりというものではなくそこから組織として学習すべきことを把握しないと同じ失敗
       を繰返したり成長機会を逸することになります。

     ● フィードバックが部下の人材育成につながらない

       フィードバックをしても部下のモチベーションを保全し、スキルを向上させる内容が伴わなけれ
       ば部下の人材育成=組織の人材力向上にはつながりません。

 
 
 
    
   1.評価時の対応ポイント
  
    組織戦略目標と職位目標について以下の点を把握します。

    1)組織戦略目標に関する学習事項

       (1) 目標達成効果ないし未達成の影響
       (2) 目標の次期継続の可否
       (3) 次期継続可の場合は今期達成/未達原因と次期達成対策に対するメンテナンス必要点
       (4) 次期継続否の場合は新規目標と達成対策

    2)職位目標に関する学習事項

       (1) 目標の達成/未達原因
       (2) 部下の認知レベル(自己評価とその根拠)
       (3) 今期の貢献内容と成長点
       (4) 次期スキルアップの必要点と対策

 
 
   2.フィードバック時の対応ポイント
 
    評価における学習事項を以下の点に留意してフィードバックします。

    1)組織戦略目標に関するフィードバック

       (1) 認識を統一するために部下を一同に会して行う
       (2) 一同の面前で特定の部下を誉めたり批難しない
       (3) 誉める場合は一人一人平等に誉める
       (4) 充分にできなかったことについては部下の責任とせず管理職のサポート不足として説明する
       (5) 今後の改善対応は期待改善効果と取組具体策をセットで説明する

    2)職位目標に関するフィードバック

       (1) 自己評価に過大過小がある場合は上司から見た評価と根拠を説明する
       (2) 部下の良くできたことと部下に感謝することは具体的事実に基いて説明する
       (3) 部下が充分にできなかったことはその責任を追及したり批難せず、今後ともそうした状態が
         続く場合の影響を説明して改善の必要性を理解させること
       (4) 今後改善してもらいたいことは先ず部下に考えさせ、これが判らなかったり妥当性に欠ける
         場合にアドバイスすること
       (5) 今後の改善対策について部下の要望の有無、内容を確認する
 
 
   3.評価・フィードバックのFAQ

 
    評価・フィードバックに関してよくある質問と回答をご紹介します

    1)自己評価得点が採用されるわけでもないのに何故自己評価をしなければならないのか?

       自己評価は本人の得点を採用することが目的ではなく以下の点が本来の目的です。

        ・ 自己評価の根拠を点検することにより本人と上司双方における事実の誤認や把握の漏れ
          がないようにすること
        ・ 本人の学習内容を点検すること
        ・ 本人の努力工夫点を把握すること
        ・ 上位評価者における点検、判断材料とすること

    2)自己評価が間違っている場合は修正させてもよいものか?

       会社それぞれの決め事ですが本人が自らの勘違いに気付いて修正を申し出たような場合は別
       として、一般的には被評価者の信頼性や上位評価者の点検、判断材料を担保するために修正
       
はせずに原データとして残し、特記事項や口頭で上位評価者に説明しているケースが多いよう
       です。

    3)目標達成度が前期と大きく異なる場合はこれをそのまま評価に反映させると処遇も乱高下する
       ので平均化してもよいのか?

       処遇が乱高下しない工夫は必要ですが達成度の測定自体はマネジメントの改善材料とする上
       で客観的事実に基いて行う必要があります。

    4)フィードバックは本人が希望しない場合でも行う必要があるのか?

      仮に、本人が希望しないからフィードバックは行わなくてもよいということになりますと本人の誤
      認が固定化したり学習事項を認識できないということで成長が止まり組織の成果目標達成にも
      悪影響を及ぼすことになります。

      フィードバックはこうしたことがないようにマネジメント上の必要から本人希望の有無に関係なく
      行われるものです。

    5)フィードバック実施上の留意点はどのようなことか?

      目標管理の機能は組織目標の達成に向けた組織構成員の能力とモチベーションを向上させて
      いく点にあります。

      フィードバックおいてもこの点との関りから少なくとも以下の点に留意しなければなりません。

        ・ 各職位目標の前に、その協働の結晶である組織成果目標について達成度、達成対策の
         遂行度と有効性、目標達成プロセスの有効点と反省点をよく説明すること
        ・ 組織成果目標の未達は部下の責任とせず管理職の責任として説明すること
        ・ 各職位目標に関してはその達成度だけでなく目標達成プロセスにおいて努力工夫が認め
          られる点を事実に基いて伝えること
        ・ 各職位目標達成プロセスにおける今後の改善点は最初から上司の考えを示すのではなく、
         先ず本人に考えさせその結果を確認した上で必要に応じて上司の考えを説明すること
 

 
    
 

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  代表:中小企業診断士;社会保険労務士髙桒一也(タカクワカズヤ)
  
〒170-0005 東京都豊島区南大塚1-21-11 ジェイシティ南大塚503
  TEL・FAX : 03-5976-2541  
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  <関係参考ページ>

    人事評価者研修テキスト
    目標管理の機能化対応 1/3(目標設定時の対応)
    目標管理の機能化対応 2/3(プロセス管理の対応)
    定性目標の設定方法と評価基準
    総務人事部門の目標設定
    営業部門のプロセス目標
    SWOT分析の展開事例
    管理職の組織目標管理力を高める目標管理スキルアップ研修

 
 

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