企業経営の組織/人事マネジメントを考える
 
 
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 No25.営業インセンティブ賃金の機能化ポイント

 
       
   レジュメ
  営業インセンティブ賃金についてその主要構成要素から見た機能化ポイント
  を解説いたします。

 
    1.
固定給の扱い
    2.成果配分原資の扱い
    3.評価の基準と方法
    4.
成果配分方法

 
    
  視点
 
    営業インセンティブ賃金を受注/売上に対する持続的モチベート対策として機能させるには
    その仕組みにおいて以下の点に留意しなければなりません。

     ● 成果配分がない場合の固定給の水準とレートが妥当であるか
     ● 成果配分原資は収益性をカバーしているか
     ● 評価の基準・方法は営業行動のパラダイムとなっているか
     ● 成果配分方法は従業員サイドから見て有意性があるか

    この4点から見た営業インセンティブ賃金の機能化ポイントについて事例解説いたします

 
 
 
    
  1.固定給の扱い

    成果配分がない場合の固定給が高過ぎたり低過ぎる、あるいはレンジが広すぎたり狭すぎると
    以下のような不具合が生じます。

      ■ 高水準/広レンジの場合
 
         ⇒ ローパフォーマーの滞留、ハイパフォーマーへの配分減少

      ■ 低水準/狭レンジの場合

         ⇒ 人材未定着や業務品質の劣化、採用・教育コスト増

    固定給の扱いではこうしたことがないよう以下の点に留意する必要があります。
 

    
   1)固定給水準のガイドライン 
 
    同地域同業種同年齢の年収世間相場×(80~60%)を目安に政策決定します。

    80%は愉楽生計費に対する標準生計費の割合ですがこれが100%に近づくほど成果配分が
    なくても世間相場と同等水準に近くなってインセンティブが弱くなり、逆に60%(標準生計費
    に対する最低生計費の割合)に近づくほど成果配分がなければ生活していけないためイン
    センティブの健全性が損なわれ人材定着性の悪化につながります

 
  
   2)固定給レート昇給レンジのガイドライン 
 
    レートは年齢・勤続・能力等に関係なく一律に定めるシングルレートとこれらを考慮して格差
    を設けるダブルレートに大別されますが、世間相場自体が前者のように一律ではなく社内に
    等級や職制があることから後者が一般的です。

    しかし、これに伴う昇給レンジの設定では

    「昇格標準滞留年数×2倍未満×標準昇給額」

    を許容範囲として青空天井とはしません。
 
    標準滞留期間の2倍以上も滞留する場合は標準評価であっても昇給はしないというスタンス
    で2倍未満の数値は政策判断となります

 
 
 
    
  2.成果配分原資の扱い

    受注・売上は粗利を下げたり販管費を無制限に投入すれば増やせますが、それだけ成果配分
    にまわせる利益は減少しますので、これを成果配分指標にすると収益性を無視した受注・売上
    至上主義の営業行動や稼いだ割には配分が少ないという誤解や不満を招来します。

    成果配分指標ではこうしたことがないよう以下の点に留意する必要があります。
 

    
   1)成果配分原資の定義 
  
         成果配分原資=(営業利益実績-期待営業利益)}×配分割合
={粗利益実績-(販管費実績+期待営業利益)}×配分割合
 
    インセンティブと収益性の両立を考慮すると成果配分原資は粗利益実績から販管費実績と
    期待営業利益を控除した額に配分割合を乗じた額となり、このことから以下のパラダイムも
    確立されます。

      □ 粗利益を確保する
      □ 販管費を合理化する
      □ 営業利益をクリアする 

 
 
   2)成果配分原資の目標設定 
 
    期待営業利益を以下の手順で組織と職位の目標値にブレイクダウンします。

      Step1.
全社の目標値設定

            以下の点を考慮して全社レベルの金額目標値を設定

            ◆
必要売上高の妥当性
            ◆ 必要売上高における損益分岐点安全余裕率の妥当性 
            ◆ 固定費及び変動費率の妥当性
            ◆ 必要売上高に対する粗利益率、営業利益率等各段階利益率の妥当性

      Step2.
単位組織の目標値設定

            全社目標値を以下の点を考慮して部・店・課・所・チーム等インセンティブ               
            対象となる各単位組織に配賦

            ◆
当該単位組織の商圏潜在購買力から見た配賦割合の妥当性
            ◆ 当該単位組織の戦略的位置づけから見た配賦割合の妥当性
            ◆ 配置人員×一人当たり全社平均売上高から見た配賦割合の妥当性
 
      Step3.単位組織構成職位の目標値設定

            単位組織目標を以下の点を考慮して構成職位に配賦 

            ◆
当該職位担当商圏潜在購買力から見た配賦割合の妥当性
            ◆ 当該職位担当商圏、商品の戦略的位置づけから見た配賦割合の妥当性
  
 
 
    
  3.評価の基準と方法

    実績営業利益から期待営業利益を控除して配分割合をかければ成果配分額が算出されるので
    他の評価は必要ない、という考え方もありますがこうした結果評価だけですと以下 のような不具
    合を招来します。

      ■ 中長期的視野に欠ける場当たり的な営業行動
      ■ 結果オーライの営業行動
      ■ 成果達成のムラ、先細り
      ■ 営業競争力の劣化

    評価ではこうしたことがないよう結果評価だけでなくプロセス評価についてもその基準と方法を
    整備する必要があります

 

    
   1)プロセス目標の設定 
 
     成果達成プロセスにおける戦略マネジメントとの整合をとり以下の視点から組織の対応戦略
     課題を形成し、構成職位の担当目標内容にブレイクダウンします。
 
      □ 品揃え競争力のメンテナンスにおける組織の対応戦略課題は何か
      □ 価格競争力のメンテナンスにおける組織の対応戦略課題は何か
      □ 品質競争力のメンテナンスにおける組織の対応戦略課題は何か
      □ 付加サービス競争力のメンテナンスにおける組織の対応戦略課題は何か 
      □ 組織の対応戦略課題において各構成職位の立場・役割から担当すべき目標は何か
 
 
   2)評価基準の 開示と評価結果のフィードバック
 
     以下の点を開示してその達成に向けた自助努力を啓発するとともに評価結果をフィード
     バックして気付きと学習を促進します。
 
      □ 所属組織と担当職位における期待営業利益と成果原資配分割合の開示
      □ 所属組織戦略課題及び担当職位のプロセス目標と達成度評価基準の開示
      □ 粗利益・販管費・営業利益の実績と成果配分金額のフィードバック 
      □ 所属組織戦略課題の遂行度と反省点のフィードバック 
      □ 担当職位プロセス目標の達成度と反省点のフィードバック
 
 
 
    
  4.成果配分方法

    全社目標未達を理由とする貢献単位組織への不支給や単位組織目標未達を理由とする貢献
    職位への不支給、目標達成に対する配分金額の上限設定は以下の不具合を招来します。

      ■ 単位組織のモチベーションダウン、チャレンジ行動の抑制
      ■ 職位のモチベーションダウン、チャレンジ行動の抑制
      ■ 未達の常習化、インセンティブの有名無実化
      ■ 戦略マネジメントの機能不全

 
    成果配分ではこうしたことがないよう組織と職位の成果貢献を適切に反映しなければなりません。
 

    
  1)配分割合と金額上限 
 
    組織ないし職位に配賦された期待営業利益を上回った部分に関する成果配分割合とその
    金額上限を事前に決めます。
 
    期待営業利益と消費販管費は既に賄っているので100%還元するのが最も判り易い基準で
    はありますが、販管費には最初から先取計上できないものが含まれたり、期待営業利益も
    最初からハードルを高くしてチャレンジ意欲を削ぐような高水準には設定できません。

    従ってこれらの補填とインセンティブの有意性を考慮し100%未満50%以上という枠中で政策
    決定とし、金額上限は設けず配分割合に応じた金額を
ストレートに配分します。
 
    ここで上限を設定すると配分割合と合せて二重の制限となりインセンティブを弱くします。
 
 
   2)プロセス評価の反映
 
    これを成果配分に反映すると評価のダブルスタンダートとなって期待営業利益が未達の
    場合でも配分したり達成した場合でも配分を減額されるといった混乱をもたらすため成果
    配分ではなく固定給部分での昇給に反映させます。
 
 
 
    
 

 ● 営業モチベーションを保全する 賃金制度メンテナンスのご案内

 
    
 
  営業インセンティブ賃金を見直して営業行動を活性化しましょう。
 
    インセンティブと収益性を両立させる賃金体系の構築
    ■ 成果配分原資目標と達成プロセス目標の整備
    ■ 成果貢献に応じたインセンティブ配分方法の確立
 
    

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 ② 診断結果報告とメンテナンス対応のご提案
 
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  代表:中小企業診断士;社会保険労務士髙桒一也(タカクワカズヤ)
  
〒170-0005 東京都豊島区南大塚1-21-11 ジェイシティ南大塚503
  TEL・FAX : 03-5976-2541  
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  <関係参考ページ>

    賃金管理システム簡易診断シート
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