企業経営の組織/人事マネジメントを考える
 
 
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 No13.OJTガイドラインの一例(1/4:挨拶)

 
       
   レジュメ
  OJTガイドラインはトレナーの負担軽減とトレーニーの自己啓発を促進し
  どの部署でどのトレーナーが行っても会社が期待する行動や知識が統一
  的に修得実践されるようにするものです。
 
  ここでは営業マナーの「挨拶」に関するOJTガイドラインの作成方法につい
  て事例解説いたします。

    1.必要性の明示
    2.期待行動の明示
    3.OJT方法の明示
  
    
  1.必要性の明示
 
        何故このテーマを修得しなければならないのか。

  その必要性についてこれができていない場合の悪しき影響をトレーニー自らの経験から共感で
  きるように具体例をあげて表記してみましょう。
 
  <作成事例>


    ◆ “ 挨拶なんて当り前のことで、子供じゃないんだから今更教える必要も教わる必要もない
      
… ” ほんとうにそうでしょうか。

     朝、顔を合わせても「おはよう」の挨拶一つ言えない、他人から親切を受けても「ありがと
     う」の言葉が出ない、他人に迷惑をかけても「すみません」と素直に謝れない、大人でもこ
     うした者はどこにでもいて皆さんも違和感を覚えたことがあるのではないでしょうか。

     これが私生活であれば「変な奴だ」で済まされますがビジネスシーンでは会社の品格/信
     用力まで疑われることになります。

     “ あそこの営業はダメだね、気の利いた挨拶一つ出来ないよ、会社がそういうレベルなん
        だね …  ”

     こうなったらお終いですから各社とも新入社員の時から挨拶の仕方を徹底するわけです

 

 
    ◆ そうした人材育成競争の中で“挨拶なんて当り前のことで子供じゃないんだから今更教え
     る必要も教わる必要もない … ” ということでは営業競争にも勝てるわけがありません。

      少なくとも相手に不快感や不信感を与えない、できれば相手から好印象や信頼感を得る
     にはどのような場面でどのような挨拶をすべきか、よく考えて実践していけるようにしま
     しょう。

 
 
    
  2.期待行動の明示

        OJT期待成果の認識を統一するとともにトレーニーの自己啓発を促進し修得実践度を客観的に
  点検できるように期待行動の内容を具体的に記述表記してみましょう。
 
  <作成事例>

  1)職場での挨拶に関する期待行動

    職場での挨拶の基本は仲間としてお互いを思いやり気持ちよく活気をもって仕事ができる
    雰囲気づくりです。疲れている、心配事がある、外でイヤなことがあった、照れくさい、挨拶
    が返ってこない、そうした自我を乗り越えて他人を思いやる強さが自らを成長させ、好印象
    や信頼感を勝ちとっていく出発点になります。

    特に、管理職においては自らがそうした行動を示さずにこれを部下に求めるだけでは部下
    は絶対についてこない、ということをよく認識して下さい。

    以下の事項で充分にできていない点は日頃から意識して声に出せるようにしましょう。

      ① 朝の出社時に「おはようございます」と皆に聞こえるように言っている。
      ② 自分が仕事に出る時は「行ってきます」と皆に聞こえるように言っている。
      ③ 他人が仕事に出る時は「いってらっしゃい」と本人に聞こえるように言っている。
      ④ 自分が帰社した時は「ただいま」と皆に聞こえるように言っている。
      ⑤ 他人が帰社した時は「お疲れ様」と本人に聞こえるように言っている。
      ⑥ 自分の退社時は「お先に失礼します」と他人に聞こえるように言っている。
      ⑦ 他人の退社時は「お疲れ様」と本人に聞こえるように言っている。
      ⑧ 他人から挨拶を受けた時は無視せずきちんと挨拶を返している。
      ⑨ 上司・先輩に対して敬意を持って接している。
      ⑩ 部下・後輩に対して見下したりぞんざいな口のきき方をしていない。
 
 
  2)客先での挨拶に関する期待行動

    客先での挨拶は相手から

      ・ この人は私や我社のことを良く思っている
      ・ この人からは面白い話や役に立つ話が聞ける
      ・ この人なら会ってもいい

    と思われることが基本です。
 
    こちらの言いたいことを言うだけ、知識や情報をひけらかす、といった態度ではなく先ず相手
    が聞いて抵抗感や不自然さがなく相手に役立つ話題は何かということを考え、話していいこ
    とといけないことを弁えて対応したいものです。

    以下の事項で充分にできていない点は日頃から意識して声に出せるようにしましょう。

      ① 相手から挨拶される前に「いつもお世話になっています」と相手に聞こえるように笑顔
       で言っている。
      ② 「その後**はいかがですか」等相手の健康や難事に思いやりの言葉をかけている。
      ③ 「今日は**ですね」「この頃は**ですね」等天候や季節に応じた会話ができている。
      ④ 「株価が戻りましたね」等誰でも知っている経済ニュースを話題にできている。
      ⑤ 「昨日の楽天は**でしたね」等相手の趣味や関心事に応じた会話ができている。
      ⑥ 「**おめでとうございます/大変でしたね」等相手の慶弔事に応じた会話ができている。
      ⑦ 相手と事柄に応じて話していいこと、いけないことの仕分けができている。
      ⑧ ⑦を踏まえ「**は**みたいですよ」と相手が関心のある情報を提供できている。
      ⑨ 同業者の批判はせず、相手が行う批判にも安易に同調していない。
      ⑩ 対人マナーを守り狎れた態度はとっていない。
 
 

 
    ※ 行動記述事項はどの部署でも必要とされる最大公約数を表記し部署・トレーニー別の固有
      部分は+αとして当該トレーナーに追記してもらいます。

 
 
    
  3.OJT方法の明示

        どのような方法がベストであるかはこれを行う状況により異なり、いかなる場合もこのやり方でな
  ければならないというものではありません。

  トレーナーが職場の実情や部下の成熟度に応じて取組易く効果を出せる方法を選択できるよう
  に複数表記してみましょう
 
  <作成事例>

  1)職場での挨拶に関するOJT方法

    あなたの職場の状況に合せて以下の方法を選択ないし組合わせて実施してみましょう。

      ① 率先垂範方式

        管理職が毎日自ら実行し続けて範を示す。

      ② ポスター方式

        挨拶の文言をポスターにして目に付き易いところに貼り付ける。

      ③ 唱和方式

        職場の挨拶が定着するまで定期的に「挨拶推進週間」を設け始業・終業時に全員唱
        和又は個人別に順番に単唱させる。

      ④ レビュー方式

        一週間ごとに全員の前で全体の実践度を職場長が講評する。
 
 
  2)客先での挨拶に関するOJT方法
 
    あなたの職場の状況に合せて以下の方法を選択ないし組合わせて実施してみましょう。

      ① ロールプレイング方式

        ◇ 挨拶場面を想定して相手先の担当者役と当社営業担当役との間で正しくない挨
          拶を演じてみせ、そうした挨拶から受ける印象をトレーニーに答えさせる。

        ◇ トレーニーに当社営業担当役として正しい挨拶をさせ、トレーナーがこれを点検し
          てできている点は誉めて自信をつけさせ不充分な点はアドバイスにより補強する。

      ② 自己啓発方式

        訪問先を想定して挨拶のことばをトレーニーに考えさせ、実際に喋らせて点検し、でき
        ている点は誉めて自信をつけさせ、不充分な点はアドバイスにより補強する。

      ③ 質疑応答方式

        必要挨拶についてトレニーに自己チェックさせ、できていない、あるいは、もっと強化し
        たいと思う箇所について質問させ、その方法を具体的に教える。
 


    ※ 2)の①②はトレーニーが過度に緊張しないように全員が参加する中で順番に行い全員で
    講評し合うゲーム方式が有効です。

    ※ 2)の③は精神論ではなくトレーニーがすぐに実務に使える具体例で教えて下さい。

 
 
    
 

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  <関係参考ページ>

    OJTマネジメント診断
    OJTの機能化対応
    OJTガイドラインの一例2/4(身だしなみ)
    OJTガイドラインの一例3/4(名刺交換)
    OJTガイドラインの一例4/4(電話応対)

    
営業力強化を組織的に推進する営業OJT研修
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