企業経営の組織/人事マネジメントを考える
 
 
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 No32.評価者研修ケーススタディ②/期中対応

 
       
 

  レジュメ

  評価者研修では人事評価が人材育成と組織業績の維持/向上に機能する
  よう【期初】【期中】【評価】【フィードバック】の各時点での評価者の対応事項
  とその実施要領を修得させる必要がありケーススタディもこれに合せてその
  理解を促進/検証できるものでなければなりません。

  ここでは期中対応時の2つのコアスキルに沿ってケーススタディのポイントを
  事例解説いたします。
 
    
   【 期中対応コアスキル1 】/被評価者の職位目標達成に向けた適切な進捗管理を行うことができる

    期初に設定された被評価者の職位目標を画餅に終わらせることなく期待成果レベルに導いていく
    進捗管理の内容と方法はどのようなことか、ケーススタディではこの点を押えます

  
    
   1)コンティンジェンシー方式

    部下の目標達成ブロセスにおける達成阻害要因とその対応策の検討/整理を通して進捗管
    理の内容と方法を構築する手がかりとします。

    <設問例>

      (1) 部下目標達成プロセスにおける想定阻害要因を書出してみましょう。(GW)
      (2) (1)について対応策を書出してみましょう。(GW)
      (3) (1)と(2)について上司を想定して説明してみましょう。(RP)

    <留意点>

      (1) 部下のモデル職位目標は期初対応ケーススタディで策定した中からグループ内で1つ
        を選定し、想定阻害要因は本人や上司・関係部署等内部環境に起因するものと顧客や
        コンペティター等外部環境に起因するものに分けて体系的に検討/抽出します。
      (2) 対応策は評価者だけでなく上司や関係部署の協力も視野に入れて検討/抽出します。
      (3) RPでは上司役からの質疑に応答していただきます。
      (4) 事前の正解はありませんが次の点をチェックして問題があればフィードバックします。
        ① 想定阻害要因に漏れがないか、現実性があるか
        ② 対応策に具体性と実現可能性、実効性があるか
 
   2)正誤判定方式

    進捗管理における誤まったマネジメント対応ケースを例示し問題点と改善課題を検討/整理
    することにより「他人のふり見て我身を正す」手がかりとします。

    <設問例>

      (1) (誤まったマネジメント対応ケースを例示し)このケースで評価者対応の誤っている点と
        その影響及び本来の正しい対応方法を書出してみましょう。(GW)

    <留意点>

      (1) 正解は予め用意して発表後に配布/説明します。

    <事 例>

      (設問例) Aさんは前任者から引継いだ業務の効率化を目標に掲げて積極的に取
            組み最初の報告を行ったところB課長からは『 問題点はその通りだけど
            原因の捉え所が違うんじゃないかなあ。だから対策もピントがずれている
            んじゃないかなあ。 まだ時間はあるからもう少し詰めてみたらどう? 』と
            言われました。

            Aさんが再検討して報告すると『 この前とあまり変わっていないみたいだ
            けどどこを直したの?』と言われ数日間かけた検討経緯と変更点を説明
            しました。

            B課長からは『 う~ん。ちょっと違うような気もするけどAさんがそこまで考
            えたのならそれでやっみたらどうですか。』ということでした。

            Aさんとしては自分でもよく検討したことでありB課長からも具体的な意見
            がないのでその内容で改善に取組み定期的に報告を行いました。

            しかし、B課長からは『この調子ではやっぱり対策は考え直した方がいい
            ようですね。』とのことなのでAさんが『どこを直せばよいでしょうか。』とアド
            バイスを求めたところB課長からは『前任者からも同じようなことを言われ
            ましたがそうした細かいところは私には判りません。それは担当者が考え
            ることでしょう。』という答でした。

            このケースでB課長の対応において誤まっている点とその影響及び本来
            の正しい対応方法を書出してみましょう。(GW)

      (正解例) ● B課長の対応において誤まっている点

              ・Aさんの考えと行動を批判するだけで具体的なアドバイスをしないこと。

            ● こうしたことを続けた場合の影響

              ・努力をしても認められないという憤りや無力感を誘発すること。
              ・その結果、モチベーションを下げ上司への反発/嫌悪を招いたり徒に
               「指示待ち」「独断専行」を増やしてしまうこと。

            ● 本来の正しい対応方法

              ・本人に考えさて「判らない」「いい考えが浮かばない」「誤っている」場合
               にはこれを批判したり放置せず一緒に考えること。
              ・一緒に考えても最善策が見つからない場合は次善策を実行させフォロ
                ーすること。
 
 
    
   【 期中対応コアスキル2 】/被評価者の能力・態度の持続的実践を適切にサポートできる
 
    部下に適用される能力・態度要件が画餅に終わることなく持続的、効果的に実践されるように上司
    として行うべきサポートの内容と方法はどのようなことか、ケーススタディではこの点を押えます

 
    
   1)コンティンジェンシー方式

    能力・態度評価項目ごとにその行動阻害要因と対応策を検討/整理することによりサポート
    の内容と方法を構築する手がかりとします。

    <設問例>

      (1) 被評価者の能力・態度評価項目の実践阻害要因を書出してみましょう。(GW)
      (2) (1)について対応策を書出してみましょう。(GW)
      (3) (1)と(2)について上司を想定して説明してみましょう。(RP)

    <留意点>

      (1) 正解は評価項目ごとに予め用意して発表後に配布/説明します。

        例:『処理力』の阻害要因と対応策

          (阻害要因)

           ・仕事の段取りや計画に不備、不具合がある
           ・仕事の経過と結果に関するチェックが甘い
           ・責任に応じた権限が与えられていない
           ・職場の5Sに遺漏がある
           ・etc.

          (対応策)

           ・作業計画を点検して必要なアドバイスを行う
           ・報/連/相の内容と方法を指示し受領時に本人の労を労う
           ・必要権限を明示する
           ・職場の5Sについてチェックリストを作成する
           ・etc.
 
   2)正誤判定方式

    サポートにおける誤まったマネジメント対応ケースを例示し問題点と改善課題を検討/整理  
    することにより「他人のふり見て我身を正す」手がかりとします。

    <設問例>

      (1) (誤まったマネジメント対応ケースを例示し)このケースで評価者対応の誤っている点と
        その影響及び本来の正しい対応方法を書出してみましょう。(GW)

    <留意点>

      (1) 正解は予め用意して発表後に配布/説明します。

    <事 例>

      (設問例) Aさんは今期『判断力』の向上を重点行動として取組むことになり「自分
            の考えで行動 してよいこと」「上司の判断を仰いで行動すること」を自分
            なりに考え整理して仕事を していましたがB課長からは『 Aさんくらいの
            キャリアならもっと積極的に自分の判断で行動してもいいと思いますよ。
            自信をもって取組んで下さい。』と言われました。

            AさんはB課長の信頼に応えようと積極的に自分の考えで仕事を進めま
            した。

            ところがある日B課長からは『 こうしたことは、軽々に判断しちゃ拙いね。
            どうして前もって相談してくれなかったのかなあ。大事に至らなかったか
            ら良かったけど、これからはよく相談して下さい。』と注意を受けました。

            AさんはB課長の信頼に応えられなかったことを悔やみそれまで自分の
            考えで行動していたことをB課長に細かく判断を仰ぐようにしました。

            しかし、B課長からは『 そうしたことはあなたの判断で処理して下さい。
            そんなことまで私の判断を確認していたら仕事が進まないでしょう。 』と
            言われ最近では報告も煩わしくなりB課長の信頼に応えようとした自分
            を情けなく思っています。

            このケースでB課長の対応において誤まっている点とその影響及び本来
            の正しい対応方法を書出してみましょう。

      (正解例) ● B課長の対応において誤まっている点

              ・「自分の判断で行動すること」と「上司の判断を仰いで行動すること」
               を具体的に判り易くAさんに伝えていないこと。

             ● こうしたことを続けた場合の影響

              ・「指示待ち」や「独断専行」を招来し仕事の効果/効率を損ねること。

                「指示待ち」 … 上司の指示がないから判らない、できない、やらない
               「独断専行」 … 上司の指示がないから自分の考えでやってもいい
               だろう

             ● 本来の正しい対応方法

              ・「ここまでは、このことは自分で判断・行動してもらいたい」「ここから
               先、このことは上司の判断で行動してもらいたい」というガイドライン
               を示し本人の意欲・能力に合わせて自分の判断で行動させる領域
               を拡大していくこと。
              ・前向きの失敗は頭ごなしに叱らず積極性を認めた上で反省と学習
               につながるように諭すこと。
 
 
    
 

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〒170-0005 東京都豊島区南大塚1-21-11 ジェイシティ南大塚503
  TEL・FAX : 03-5976-2541  
E-mail :ta2902@isis.ocn.ne.jp 
 

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  <関係参考ページ>

    
人事評価者研修テキスト
    人事評価スキル診断シート
    人事評価システム簡易診断シート
    人事評価システムの機能化対応
    人事評価結果の調整方法
    評定誤差の把握と改善対策
    目標管理の機能化対応【1/32/33/3
    目標管理制度のメンテナンス
    評価者研修のケーススタディ①
    評価者研修のケーススタディ③
    評価者研修のケーススタディ④
    組織の業績達成と人材育成を支える人事評価制度のメンテナンス

 
 
 
 
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