企業経営の組織/人事マネジメントを考える
 
 
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 No20.BEP分析   ※関連ページ ⇒ 【管理職育成研修第2講:P/Lの仕組みと改善】
 
       
   レジュメ

   BEP【Break Even Point:損益分岐点】の算出と分析方法について事例
   解説いたします。
 
    1.言葉の意味と計算式
    2.総費用の固・変分解方法
    3.損益分岐点比率
    4.損益分岐点分析の応用

 
    
   1.言葉の意味と計算式
 
       これから商売を始めます。
 
  この先1年間にかかる費用は売上に関係なく機械・設備等の減価償却費と従業員の給与で10億円
  かかり、その他に売上原価や販売手数料・支払運賃等が売上に対して60%かかる見込みです。
  この場合、利益は出せなくてもかかった費用だけは回収できる売上高はいくらになるでしょうか。

 
 
  1)言葉の意味


    (1) 損益分岐点

      利益は出せなくてもかかった費用だけは回収できる売上高のことを損益分岐点売上高又は
      単に損益分岐点といい、売上高と費用が五分五分で損得がないBreak Even)
ということで
      Break Even Point 略してBEPと表記します。


    (2) 固定費

      減価償却費や従業員給与のように売上に関係なくかかる費用を固定費といいます。

    (3) 変動費と変動費率

      売上原価や販売手数料、支払運賃のように売上に伴って発生する費用を変動費といい売上
      に対する変動費の割合を変動費率といいます。


  
2)計算式


    損益分岐点では費用(固定費と変動費)と売上がEvenになるので損益分岐点をχとした計算式
    は以下のようになります。


       χ=固定費+χ×変動費率
 
          ⇒ χ-
χ×変動費率=固定費
          ⇒ χ1-変動費率)
=固定費
          ⇒ 
χ=固定費/(1-変動費率) となります。

    ◎ 冒頭の例では固定費が10億円、変動費率が60%なので損益分岐点χ

       χ=10
億円/10.60) … 25億円  となります



  
3)損益分岐点図表


    上記計算式を図表化したものを損益分岐点図表といい下記のようになります。

    <図の解説>

      ① 売上高線 … ここでは0から始まって100億円までいきました。
      ② 固定費線 … 売上高に関係なく一定で、ここでは40億円かかりました。
      ③ 総費用線 … 固定費と変動費の合計で売上とともに増加し、ここでは変動費が55億円、
                固定費と合せて総費用が95億円かかりました。
      ④ BEP        … 売上高線と総費用線の交点が損益分岐点となり、ここまでは売上高が
                総費用を下回っていましたがここから先は総費用を上回り、その差額が
                利益となります。ここでは売上高100億円-総費用95億円で利益が5億円
                出ました。

                                                   (金額:億円)
             

  
      ●
この損益分岐点図表でBEPはいくらになるでしょうか?

        解答     固定費40億円/(1-変動費率0.55)≒88.89億円
 
 
 
    
  2.総費用の固・変分解方法 
 
       BEP計算では総費用を固定費と変動費に分解しなければならずその方法は大別して2つあります。

  1)個別法
    P/Lの費用科目を見て以下のように固定費と変動費に分ける方法で確実ですが手間がかかり
    ます。

    固定費 ⇒ 給与、福利厚生費、減価償却費、保険料、賃貸料、租税公課 … etc.
    変動費 ⇒ 売上原価、販売手数料、支払運賃、営業外損益、特別損益、法人税 … etc.
    

  
2)総費用法

    総費用の増減額を売上高の増減額で除して変動費率と変動費を算出し総費用から変動費を
    引いて固定費を算出する方法でやや大雑把ではありますが手間がかかりません。

    (例) 総費用が85億円から90億円になり売上高が90億円から100億円になった場合

        固定費は増えないので売上高10億円増に対し変動費が5億円増とみなし

          変動費率 ⇒ 総費用増5億円/売上高増10億円=50%
          変動費   ⇒ 売上高100億円×変動費率50%=50億円
          固定費   ⇒ 総費用90億円-変動費50億円=40億円

    因みにこの場合のBEPは、固定費40億円/(1-変動比率50%)で80億円になります。
 
 
 
    
   3.損益分岐点比率
 
       実際の売上高に対するBEP売上高の割合を損益分岐点比率といい次の計算式で算出します。

     損益分岐点比率(%)=BEP売上高/実際の売上高×100

     (例) 実際の売上高が100億円、BEP売上高が80億円の場合の損益分岐点比率は

         BEP売上高80億円/実際の売上高100億円×100=損益分岐点比率80%

  損益分岐点比率は90%以下が望ましい水準とされています(上記計算式の分母と分子を入替えて
  計算する場合は安全余裕率といい110%以上が望ましい水準とされています)のでこれを上回る
  (安全余裕率では110%を下回る
)場合は固定費の削減ないし変動比率の縮小によりBEPを下げる
  必要があります。

         <現状>                    <1>                  <2>
           

   <1>は<現状>から固定費を削減してBEPを下げた損益分岐点図表
   <2>は<1>から変動比率を縮小してBEPを下げた損益分岐点図表
 
 
 
    
   4.損益分岐点分析の応用
 
       次に示す年度損益状況から以下の問題を解いてみましょう。

    


   問1.総費用、固定費、変動費、変動費率、BEP売上高、BEP比率はいくらになるでしょうか。


         総費用   ⇒  売上高1,200,000-当期利益  3,350 = 1,196,650
         固定費   ⇒  販管費   70,800×80%             =    56,640
         変動費   ⇒  総費用1,196,650-固定費   56,640 = 1,140,010
         変動費率  ⇒  変動費1,140,010/売上高1,200,000 = 95.000833%
         BEP売上高 ⇒  固定費   56,640/(1-変動費率95.000833%)  = 1,132,989
         BEP比率   ⇒  BEP売上高1,132,989/売上高1,120,000 = 94.415736%


   問2.BEP比率を85%まで下げるために変動費率をそのままにして固定費だけを下げる場合、
       固定費をいくら下げたらよいでしょうか。


         BEP売上高 ⇒  売上高1,200,000×85% = 1,020,000 
         固定費   ⇒  BEP売上高1,020,000×(1-変動費率95.000833%) = 50,992
         下げ額   ⇒  56,640-50,992 = 5,648
         下げ率   ⇒   5,648/56,648 = 9.97%


   問3.BEP比率を85%まで下げるために固定費をそのままにして変動費率だけを下げる場合、
       変動費率は何%になり当期利益はいくらになるでしょうか。


         BEP売上高 ⇒  売上高1,200,000×85% = 1,020,000
         変動費率  ⇒  (BEP売上高1,020,000-固定費56,640)/BEP売上高1,020,000
                = 94.447058%
         当期利益  ⇒  (売上高1,200,000-BEP売上高1,020,000)×(1-変動費率
                 94.447058%) = 9,995
 
 
 
    
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  <関係参考ページ>

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