企業経営の組織/人事マネジメントを考える
 
 
      ■ 組織/人事マネジメントに関する経営診断・調査分析
      ■ 組織/人事諸制度の設計・メンテナンス支援
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      ■ その他組織/人事マネジメントに関するコンサルテーション
 
         
 

 No16.マネジメントスキルのメンテナンス

 
       
    レジュメ
   管理職に求められるマネジメントスキルはどのようなことか、その実践を
   どのように担保していくか、PDCAサイクルに沿って
解説いたします。
 
    1.
必要とされるコアスキル
    2.コアスキルの実践点検ポイント
    3.
コアスキルの不全原因点検ポイント
    4.改善対応ポイント
 
    
  視点
 
    管理職のマネジメントスキルは経営競争力の最大構成要素でありそのメンテナンスの優劣により
    経営競争力の優劣が大きく左右されますが以下のようなケースも少なくありません。

       ■ 必要とされるマネジメントスキルの定義自体に問題がある
       ■ スキル実践の点検やフォローに問題がある
       ■ スキル実践へのモチベート対応に問題がある
       ■ 結果としてマネジメントスキルの形成・維持・強化につながらない

    ここではこれらの点を考慮して管理職におけるマネジメントスキルの形成・維持・強化に向けたメン
    テナンスポイントについてPDCAサイクルに沿って解説いたします。
 
 
 
    
   1.Plan段階での必要スキルとその点検/改善対応ポイント
 
    
   1)必要とされるコアスキル

    担当組織のミッション遂行に先立つ的確な段取り構築をするために以下4点のコアスキルが
    必要とされます。

    (1) 担当組織のミッションに関する部下・上司・関係職位との認識共有
    (2) 担当組織のミッション遂行を制約する内外部環境と適応戦略課題に関する部下・上司・
      関係職位との認識共有
    (3) 担当組織のミッション遂行に関する組織目標と達成対策の策定
    (4) 担当組織目標と部下職位目標の連鎖形成
 
 
  2)スキル不全のチェックポイント

    これらのスキル不全は以下の不具合現象となって顕在化しますのでこうしたことやその兆し
    がないかチェックしてみましょう。

    (1) 本人における不具合

       ① 担当組織目標のミッションとの不整合や漏れ、レベルの過不足
       ② 目標達成対策の不明、内外部環境との不整合や漏れ、ムダ・ムリ
       ③ 実行スケジュールの不明、ムダ・ムリ

    (2) 部下における不具合

       ① 担当職位目標・達成対策・実行スケジュール作成/提出遅延
       ② 担当職位目標の組織目標との不整合や漏れ、レベルの過不足
       ③ 目標達成対策の不明、内外部環境との不整合や漏れ、ムダ・ムリ
       ④ 実行スケジュールの不明、ムダ・ムリ

    (3) 関係部署間の不具合

       ① 関係部署間協力・連携事項の不明、漏れ、ムダ・ムリ
       ② 協力・連携事項実施スケジュールの不明、漏れ、ムダ・ムリ

 
   3)原因のチェックポイント

    これらの不具合を惹起する原因は最大公約数としては以下の点があげられます。
    こうした問題点や兆しがないかチェックしてみましょう。

    (1) ミッションの認識形成に問題はないか

       ① 単位組織別ミッションが定義されていない
       ② 単位組織別ミッションが開示、教育されていない
       ③ 単位組織別管理職の責任権限分掌がない
       ④ 単位組織別管理職の責任権限分掌が開示、教育されていない
       ⑤ 関係部署間の協力・連携ルールが定義されていない
       ⑥ 上位管理職から下位管理職に対する点検・指導がされていない

    (2) 戦略状況の認識形成に問題はないか

       ① 管理職に対して全社ないし部門の戦略状況をブラインドにしている
       ② 戦略課題形成に管理職を参画させていない
       ③ 内外部環境の分析手法が教育されていない
       ④ 所属組織の戦略状況と対応課題に関する説明質疑応答がされていない
       ⑤ 関係部署間における必要会議体がない、あるいは、運営が停滞している

    (3) 目標策定方法に問題はないか

       ① 管理職に対して組織/職位目標の策定教育が行われていない
       ② 管理職に対して目標策定に必要な情報が開示されていない
       ③ 上位管理職から下位管理職に対する点検・指導がない
       ④ 部下に対して職位目標の策定方法に関する教育が行われていない
       ⑤ 部下に対して目標策定に必要な情報が開示されていない
       ⑥ 管理職から部下に対する点検・指導がない

    (4) 管理職に対する処遇モチベーションに問題はないか

       ① 人事評価の項目・基準・方法が職務の実態に合っていない
       ② 人事評価の項目・基準・方法が開示されていない
       ③ 人事評価結果のフィードバックとOJTが行われていない
       ④ 賃金水準が同業種平均水準に比較して低い
       ⑤ 賃金が部下と逆転している
       ⑥ 賃金支給基準が職務の実態に合っていない
       ⑦ 法定福利厚生が適用されていない
       ⑧ 社内福利厚生が整備されていない
       ⑨ 上位管理職から下位管理職に対するモチベーションフォローがない

 
   4)改善対応ポイント

    上記不具合原因には少なくとも以下の対応が必要とされます。
    因果関係とプライオリティを考慮して対応しましょう。

    ◆ 組織規程における単位組織のミッション、業務分掌、管理職責任権限分掌、会議体運営
      要領の明文化      
    ◆ 組織規程の定期メンテナンス、開示、教育
    ◆ 上位管理職から下位管理職に対する組織規程遵守の点検・指導
    ◆ 全社・部門戦略状況と対応課題に関する管理職間の認識共有化
    ◆ 内外部環境分析手法の教育
    ◆ 組織目標・職位目標策定方法の教育
    ◆ 上位管理職から下位管理職に対する組織目標・職位目標の点検・指導
    ◆ 管理職人事評価システムの見直し
    ◆ 管理職賃金管理システムの見直し、ビジョン化
    ◆ 法定福利の遵守
    ◆ 社内福利公正の見直し、ビジョン化
    ◆ 管理職に対する自己申告制度の整備
    ◆ 上位管理職へのコミュニケーション教育

 
 
    
   2.Do段階での必要スキルとその点検/改善対応ポイント
 
    
   1)必要とされるコアスキル

    担当組織目標と部下職位目標を効率的・効果的に達成していくために以下4点のコアスキル
    が必要とされます。

    (1) 部下に対する業務配分と遂行能力の維持・向上
    (2) 部下職位目標の達成に向けた効率的・効果的・持続的チャレンジの維持
    (3) 上司との円滑な業務コミュニケーション
    (4) 関係部署との効率的・効果的な業務連携
 
 
   2)スキル不全のチェックポイント

    これらのスキル不全は以下の不具合現象となって顕在化しますのでこうしたことやその兆し
    がないかチェックしてみましょう。

    (1) 本人における不具合

       ① 担当組織分掌業務に対する実行の過不足や遅れ
       ② 本人への過度の業務集中、部下への過度の業務分散
       ③ 部下に対する目標進捗管理の停滞
       ④ 上司に対する報・連・相の漏れや遅れ、誤り

    (2) 部下における不具合

       ① 担当業務の過不足や遂行の遅れ
       ② 担当職位目標に対する取組みの漏れや遅れ
       ③ 上司に対する報・連・相の漏れや遅れ、誤り
       ④ 担当職位目標の未達

    (3) 関係部署間の不具合

       ① 関係部署からの協力・支援の不足、停滞
       ② 関係部署への協力・支援の不足、停滞
       ③ 連携のミス、ロスの頻発
  
 
   3)原因のチェックポイント

    これらの不具合を惹起する原因は最大公約数としては以下の点があげられます。
    こうした問題点や兆しがないかチェックしてみましょう。

    (1) 業務分掌に問題はないか

       ① 単位組織別業務分掌やその遂行責任権限分掌が定義されていない
       ② 単位組織別業務分掌やその遂行責任権限分掌が開示、教育されていない
       ③ 業務分掌やその遂行責任権限分掌自体に過不足や曖昧さがある
       ④ 上位管理職から下位管理職に対する点検・指導がされていない

    (2) 配置に問題はないか

       ① 配置人員数に過不足がある
       ② 配置職位構成に偏りがある

    (3) 部下との業務コミュニケーションに問題はないか

       ① 部下の業務内容をよく知らない
       ② 部下の業務遂行に必要な知識・スキルをよく知らない
       ③ 部下に報・連・相の内容と方法を具体的に指示していない
       ④ 部下からの報・連・相に対して相手のモチベーションを下げる言動をとっている
       ⑤ 部下に対して業務遂行に必要な情報開示をしていない

    (4) 関係部署との業務コミュニケーションに問題はないか

       ① 関係部署間の連携協力ルールがない
       ② 部署間コンフリクトの調整責任者がいない
       ③ 相手からの協力・支援に対してモチベーションを下げる言動をとっている

    (5) 管理職に対する処遇モチベーションに問題はないか

       Plan段階と同様

 
 
   4)改善対応ポイント

    上記不具合原因には少なくとも以下の対応が必要とされます。
    因果関係とプライオリティを考慮して対応しましょう。

    ◆ 組織規程における単位組織の業務分掌、非管理職責任権限分掌、会議体運営要領の
      明文化      
    ◆ 組織規程の定期メンテナンス、開示、教育
    ◆ 上位管理職から下位管理職に対する組織規程遵守の点検・指導
    ◆ 配置人員の過不足及び職位構成の是正
    ◆ 管理職の異動時業務引継ぎ要領の整備
    ◆ 管理職・非管理職双方に対する業務コミュニケーション教育
    ◆ OJTガイドラインの整備と管理職への教育
    ◆ 管理職の言動自己チェックリストの整備と配布
    ◆ 上位管理職から下位管理職に対する業務コミュニケーションの点検・指導
    ◆ 管理職人事評価システムの見直し
    ◆ 管理職賃金管理システムの見直し、ビジョン化
    ◆ 法定福利の遵守
    ◆ 社内福利公正の見直し、ビジョン化
    ◆ 管理職に対する自己申告制度の整備
 
 
 
    
   3.Check・Action段階での必要スキルとその点検/改善対応ポイント
 
    
   1)必要とされるコアスキル

    担当組織のミッション遂行行動をレベルアップしていくために以下4点がコアスキルが必要
    とされます。

    (1)
担当組織のミッション遂行に影響を与える内外部環境変化の把握と適応対策の選択、
      実行
    (2) 担当組織目標の達成対策/実行方法のメンテナンス
    (3) 部下職位目標の達成対策/実行方法のメンテナンス

    (4) 関係部署との業務連携内容/方法のメンテナンス
 
 
   2)スキル不全のチェックポイント

    これらのスキル不全は以下の不具合現象となって顕在化しますのでこうしたことやその兆し
    がないかチェックしてみましょう。

    (1)
本人における不具合

      
① 内外部環境に適応すべき組織目標に関するメンテナンスの停滞
       ② 組織目標未達の繰返し、目標レベルの逓減化
       ③ 上司に対する報・連・相の停滞
       ④ 部下職位目標に関するメンテナンスの停滞

    (2) 部下における不具合

       ① 担当業務遂行のムダ、ムリと無自覚
       ② 担当職位目標未達の繰返し、目標レベルの逓減化
       ③ 担当職位目標達成対策への取組みのムダや停滞
       ④ 上司に対する報・連・相の漏れや遅れ、誤り

    (3) 関係部署間の不具合

       ① 関係部署からの協力・支援の不足、停滞
       ② 関係部署への協力・支援の不足、停滞
       ③ 連携のミス、ロスの頻発

 
 
   3)原因のチェックポイント

    これらの不具合を惹起する原因は最大公約数としては以下の点があげられます。
    こうした問題点や兆しがないかチェックしてみましょう。

    (1) 環境変化の認識形成や適応権限に問題はないか

       ① 内外部環境の変化と適応方針を公的にアナウンスしていない
       ② 管理職に担当組織における適応対策の選択・実行権限がない
       ③ 内外部環境の分析手法が教育されていない
       ④ 単位組織内で適応対策とその実行に関する説明、質疑応答がされていない
       ⑤ 関係部署間における必要会議体がない、運営が停滞している

    (2) メンテナンスルールに問題はないか

       ① 担当組織目標のメンテナンスの時期、内容、方法がルール化されていない
       ② 上位管理職から下位管理職に対する点検・指導がされていない

    (3) 業務コミュニケーションに問題はないか

       ① 部下に対して組織目標達成に関する定期的レビューをしていない
       ② 部下職位目標達成に関する定期的レビューをしていない
       ③ 業務連携に関する定期的な部署間レビューをしていない

    (4) 管理職に対する処遇モチベーションに問題はないか

       Plan段階と同様

 
 
   4)改善対応ポイント

    上記不具合原因には少なくとも以下の対応が必要とされます。
    因果関係とプライオリティを考慮して対応しましょう


    
◆ 管理職に対する全社・部門戦略進捗状況の定期的レビュー      
    ◆ 管理職に対する担当組織適応対策の選択・実行権限の付与と実践教育
    ◆ 内外部環境分析手法の教育
    ◆ 上位管理職から下位管理職に対する組織目標達成状況の定期的レビュー
    ◆ 組織目標・職位目標に関するメンテナンスルールの整備と実践教育
    ◆ 部下に対する組織目標及び担当職位目標達成状況の定期的レビュー
    ◆ 業務連携の成果、改善対策に関する定期的な部署間レビュー
    ◆ 上位管理職から下位管理職に対するレビュー状況の点検・指導
    ◆ 管理職人事評価システムの見直し
    ◆ 管理職賃金管理システムの見直し、ビジョン化
    ◆ 法定福利の遵守
    ◆ 社内福利公正の見直し、ビジョン化
    ◆ 管理職に対する自己申告制度の整備

 
 
 
    
 

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  <関係参考ページ>

    管理職昇進試験のポイント
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